事故車を含めて中古車を販売しようと考えた場合に、誰でも少しでも高く売りたい、逆に少しでも安く買いたいと思うのは当然であろう。少しでも高く販売をしたいと考えるのであれば、以下の方法が代表的なものである。
<注>自動車公正取引協議会の定める自動車公正競争規約において、事故車という表現はなく、あくまで修復歴車と表示されている。修復歴車とは車体の骨格部位に相当する箇所を修正又は交換によって復元された車のことをいう。
★タッチアップペイントを行う方法 ・・・ どんなに大切に丁寧に乗っていたとしても、飛び石等によるキズ或いはちょっとした凹みはどうしても発生しまう。これだけはどうしても避けることはできない。ということは査定する前に板金塗装を思いつくのが想像できる。このようにして査定価格をアップさせようとする。
★オプション品 ・・・ 純正外のオプションは査定価格には反映されないのが普通である。そのため、査定以前に純正品のオプションに入れ替えて少しでも査定価格を少しでも上げようとする。
そこで、騙されない方法はよく細かい部分に対してよく観察することに尽きる。タッチアップペイントにしろオプション品にしろ、まず間違いなく何かしらどこかに微妙に差異が発見出来るものである。出荷時点の状態に戻るのはハードの世界では不可能に近い。騙されないための点検手順を列挙してみよう。
【騙されないための点検1】何といってもまず最初の点検すべきは点検整備記録簿である。重箱の角をつつくようにして神経を集中させて目を通すことである。しかもしつこく行うことである。よくある話に、「これは保証の対象ではないので実費請求します。」がある。こんな目に会わないためにも十二分に留意する必要がある。
【騙されないための点検2】エンジンオイルを入れるフィラーキャップ部位の点検が重要である。この部位は意外にも見逃されやすいため、充分注意する。
【騙されないための点検3】話を進める前に年式を気にする時点で必ず車の登録月を確認する。登録月は価格にかなりの影響を与えるファクターであることを忘れないこと。<注>1年登録月が違うと、価格にして5万~10万違ってくる。
【騙されないための点検4】メーターを改竄して走行距離を偽っていないか否かを把握することである。
【騙されないための点検5】車の整備工場を自社で用意しているか否かを確認することである。
【騙されないための点検6】車の修復歴の有無を確認を怠らないことである。ここで注意することはただ単なるドアを交換している場合で、この車は修復歴有りと発言しないようにする。発言してしまうと、この人は何も知らない人だと見破られて騙されることになってしまう恐れが生じる。例えば、「ドア交換の他にピラーについては?」と発言すれば、ドア交換を修復歴有りとは相手は言わなくなる。ということで修復歴有りの定義を再度確認することが重要である。
【騙されないための点検7】車の周りをゆっくり、かつじっくり一周して何か変な箇所が見当たらないか否かをチェックする。「少しでも変かな・・・。」と感じたら、即質問して回答を確認することである。例えば、駐車場で壁に擦ったりしたキズとか、後ろから車をぶつけられてバンパーを交換した場合等は修復歴にはならないことに留意することである。
【騙されないための点検8】車を修理した跡が有るか否かを調べるためは、しゃがんでじっくり観察することである。
<もう一度言う>修復歴と事故歴は全く違うことを理解することである。車の骨格に関する部位を修理等を施した場合は修復有りで、そうでなく文字通り単なる事故にあった場合は事故車と言われている。この点を鵜呑みにすることなく査定士と質疑応答を重ねて納得することが大切である。
【騙されないための点検9】台風、洪水等によって水に浸かったりした車は冠水車、海に近隣していた車、或いは雪の環境で利用されていた車は塩害車といわれ、これらの車は事前にチェックする事項で、充分把握しておくことが重要である。
次に留意する点をピックアップしてみる。まず修復歴が表示されていないことを確認して車を買った場合、「錯誤による無効」を主張することでキャンセルすることができる。これは民法第95条に記載されている。或いは修復歴をわざと隠蔽した場合は「詐欺による取消」を主張してキャンセルすることができる。さらに悪質な場合で、実際は修復歴があるにも拘らず、「修復歴はありません」と言われたケースで、これは「不実告知」により契約を取り消すことが出来る。このことは消費者契約法第4条第1項第1号に明記されている。ということで、業界団体に加入していない、いわゆるアウトサイダーか否かをチェックすることである。いろんな状況を鑑みて、以下の事に留意する。
●車の売買においては認知度の度合いをチェックする。
●基本的には書類は最後の局面で相手に渡す段取りを行う。
コメント